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2007年9月17日 (月)

昨夜プールにて

昨夜、プールに行って水に浮かぶように漂っているとき、ふっと浮かんで来た言葉は

子宮回帰。人は皆、母親の子宮の中で羊水の海で泳ぐ。その記憶はどこかに残って

いるのだろうか。

妊娠2ヶ月か3ヶ月の頃だっただろうか、産婦人科に定期健診に行くたびに、超音波で、

息子が羊水の中で泳いだり、手足を動かしたりしている姿を見せてもらえるのが、何

よりも楽しみだった。しかも、先生は、その様子を毎回ビデオに録画して下さるのだ。

家に帰ってから、夫と二人でビデオを何度も見て、今手を振った、とか、足らしきもの

をバタバタさせた、とか、何ヶ月も先に生まれてくる子が、どんな子なんだろうね、とか

とりとめもなく話して、もう親になったような気持ちだった。

現実の子育ては、親にとっても、子どもにとってもいいことばかりではなく、大変なこと

もたくさんある訳で、子どもがお腹の中にいた時代は、メルヘンとして親子ともに幸せ

であったのかもしれない。

長い前置きになった。

深夜のプールは、少し暗く、人も少なく、水中に潜ったり漂ったりしていると、穏やかな、

少し意識がぼやけたような、夢の中にいるような気分になった。現実に起きている多く

のことが、意識の中で輪郭を失いはじめていた。

このまま眠ってしまいたい、漠然とそう思いながら、何泳ぎとも言いがたい泳ぎ方で

泳ぎ続けていた。

結局、最後には、大音量で終了の合図がはいり、一瞬で現世に意識が戻ってきたの

だけど。

水からあがった途端、突然こみ上げてくる思いに息がつまりそうになり、しかし、その

思いがなんだかわからず、涙も鼻水もプールの水も全部混じったびしょびしょの顔を

タオルで拭きながら、「なんだ、なんだ」とうろたえてしまった。

そして、少しして気持ちが落ち着いてから、子宮から出なければならないのは、ずい

ぶん不安なことなのかなぁ、さっきのこみ上げてきた息苦しさは強い不安のような感じ

だったなぁ、と考えながら、家まで帰ったのだった。

出産後の中断はあったとはいえ、小学2年生で初めてスイミングスクールに入って

以来、長らく泳いできた中で、昨夜のような思いがこみ上げたことはなかった。

依存しきっていた母から、突然亡くなってしまった母から、本当に自立しなければ、

もう、母なしの生活を現実のものとして受け入れなければ、そう、私の心が私の心

身のすべてが、語りかけてきたようだった。

ようやく現実感がわいてきたのかもしれない。

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